パルカワ2

最近はFlutterをやっています

あるべき姿、そして思想

脳内ダンプ

最近あるべき姿を考えていて思ったことを書く。


仕事をしていく中で我々はあるべき姿を考えている。あるべき姿を考えないと今起きている問題は発見できない。プロダクト開発でも組織でも技術でもそう。

10Xには、Think 10xというのがある。理想というあるべき姿を定義して探索的一歩を重ねようとあり自分はこれが大好き。あるべき姿とはなんなんだろうか。

なぜあるべき姿は必要なのか

我々の仕事は訂正し続けることである。訂正するということはつまり変化し続けるということ。あるべき姿がないと変化を積み重ねてもグチャグチャになり、なんなのかよくわからないいびつなものが出来上がる。

❌ あるべき姿を持たずにただ訂正を積み重ねている例

✅ 理想(あるべき姿)を定義して段階的に訂正している例

あるべき姿(理想)を定義して、それに対して段階的に進めていくことでなりたい姿になれる。

思想が反映された状態=あるべき姿

あるべき姿は言葉の通り「こうなりたい」と考えている姿である。なりたい姿と考えるとFlutterのモバイルアプリなら「Riverpodを使ったState managementがされている状態」とかが真っ先に思いつきやすい。

これはあるべき姿と一応言えなくもない。しかし「Riverpodを使ったState managementがされている状態」はその時点では良いものなのかもしれないが、時間が経てば良し悪しは変わっていく可能性がある*1し、それは我々ではハンドリングしきれない。これを外部要素ということにする。あるべき姿が外部要素に依存すると時間が経つと陳腐化する可能性がある。つまり正解不正解がある。

しかし本来は「Riverpodを使ったState management」によって叶えたい思想が核としてあるはず。自分はなぜそのあるべき姿になりたいと考えているか、究極的には何を信じているのかという思想が特に重要だと思う。

そう考えると思想とは訂正を支える軸とも言える。外部要素は変化しても思想は変わらないしあるべき姿はその思想が反映されている状態なので外部要素が変化しようがブレない。あるべき姿や思想は、訂正するときに立ち戻る指針となる。

外部要素が変わっても思想とあるべき姿に変化はない

例えば自分の場合、最近モバイルアプリのリアーキテクチャを勝手にしているのだが「漸進的な訂正が重要」と信じているのでそれを思想としてあるべき姿を「訂正に備えられている状態」としている。

外部要素に依存しないあるべき姿に正解不正解はない

前述の通り、あるべき姿は思想が反映されている状態とした。あるべき姿に外部要素が含まれている場合なんらかの予想が必要になってくるが、思想が反映された状態である場合は予想は含まれない。なので正解・不正解もないと思う。何を信じているかという話。

あるべき姿だけではなく思想の”同期”をする

あるべき姿を共有するだけではなく、なぜその状態を目指すのかという思想を他のメンバーにも伝える必要がある。ただ伝えるのではなく”同期”をするには、自分の言葉であったり、わかりやすい言葉やキャッチーさ、しつこいくらい何度も伝えるなどは必要だと思う。*2

思想を同期することであるべき姿を目指す取り組みの意味が深く理解できてメンバーにあるべき姿に近づける意味が出来る。結果、内発的動機付けがされて、あるべき姿にたどり着きやすくなると思っている。*3

まとめ

技術力あげたいのなかで、思想を広げる力というのをあげた。思想というと少しクセありな感じがするが働くうえでかなり重要だと自分は思っていて特にマネージャー職、等級が高いIC、経営陣は濃淡はあれど思想を持ってあるべき姿を定義しそれらを他の人達に同期していくことが重要と考えている。

*1:例えば、2025年にDartにはmacrosがくる予定なのでState mangementのあり方が根本的に変化する可能性がある

*2:自分は、人と考えを共有することを脳内同期と呼んでいる

*3:もちろん思想なので相容れないこともある。それは人間なので仕方がない。

対話ってなに?

脳内ダンプ

自分は対話や傾聴というのは、あくまで手段であり目的を持って行うものであると思っている*1。自分の今持っている目的は10xを創ることであり、そのためには一人ひとりで頑張るのではなくみんなの力を合わせて大きな成果を出すことが重要だと考えている。そして大きな成果を出すためには、対話という手段が有効な場面がある一方で対話だけでは成り立たないとも思っている。では対話とはなにか。

対話というのは、本音を言い合い互いに理解しようとすることだと自分は考えている。

人と人の付き合いには建前と本音がある。EMである自分とメンバーは、ある程度本音で話せることもあれば建前で話すこともあると思う。それはお互いにそう。メンバーに限らず、同僚や上司のCTO、どんな立場・関係性だろうがすべてにおいて建前と本音が存在すると思ってる。

建前と本音があることはそれは悪いことではない*2と思っている一方で本音を全く話さず、建前だけで話していると何を考えているのか、何を期待されているのか、何を考えて意思決定しているのかなど相手は理解できない。その状態で、みんなの力を合わせて大きな成果を出すことは達成できないと思っている。

なので、対話を通して本音を言い合う必要がある。しかし本音を言い合うというのは想像以上に難しい。自分は昔の上司に「ひさいちは喧嘩しないからダメ」というようなことを言われたことがあり当時は喧嘩しないほうが良くない?と思っていたのだが、摩擦を必要以上に避けるのは成果を出すという意味合いでは良くないという意味で言ったんだろうと思う。本音を言う事はときに人との摩擦を生み出すことにもなる。普通に避けたい。だからこそ本音で話しやすい環境というのは非常に重要。

また対話は、お互いが話す本音を理解しようとすることも重要だと思う。これは7年前におはぎレビューという記事にも書いていた。おはぎがうんこではないかレビューするという最悪な例えを使っているのだが、もう書いてるのでここでは端折る。

対話は、本音を言い合い互いに理解しようとすることとしたが対話は何を生むのか。共通認識を生む。共通認識を生むことでチームや個人間での納得解を決める議論やマネージャーなどの意思決定を早め、精度を高める。

例えば、コードレビューではチームでの納得解を決める必要があるのでこれまでの対話によって作られたなにを大切にするか等の共通認識を踏まえて議論をして納得解を決める。

チームの方針などは議論はせずにメンバーが何を大切にしたいのか等をマネージャーと共通認識にしておけば、マネージャーの決断は独りよがりにならず、決断も早めることができる*3

このように対話は、本音で話すこと・相手を理解しようとすることで共通認識を作るが、物事を進めるには議論、決断といった対話を踏まえた活動が必要であると自分は思う。

*1:https://x.com/hisaichi5518/status/1832011330376945928

*2:すべての人間関係で本音だけで生きている人がこの世にいると思えない

*3:もちろん説明責任はある

連続した組織活動は、前提や判断基準をチームで持てる

脳内ダンプ


連続した組織活動とは、同じチームで経験学習サイクルを回し続けること。チームで訂正し続けていることとする。*1

チームで訂正し続けているということは、チームで学習が出来ているということ。この学習で得られるのはチームとしての前提や判断基準(思想、ものの見方)。

チームとしての前提や判断基準を持っている組織を成熟したチームとする。成熟したチームは、学習の結果得られた前提や判断基準が共通認識になっているので、意思決定の前提や基準が共通認識となっていて素早い判断が出来る。こうなれば巧く速くつくることが出来る。究極的には阿吽の呼吸

チームとしての前提や判断基準を持てていない組織を未成熟なチームとする。未成熟なチームは、前提や判断基準がチームの中で共通認識となっておらず、なぜその判断をしたのかわからないので聞いたり説明したり、聞く機会がなかったりすると「アイツラなんもわかってねえ」となったりする。

成熟したチームは、人の増減などの変化によって未成熟なチームに変化する。所属する人の増減や変化があったとき、もともとチームで共通認識になっていた前提や判断基準は消えるか学習し直しが一定発生する。

事業部、会社のような広い範囲の組織は、少ない人数や狭い範囲の組織と比べると学習のスピードは遅くなるし、人の変化が起きやすい。また狭い範囲のチームの複合になるので、狭い範囲のチーム毎に判断基準や前提が作られていくと各チーム毎に差分が生まれていく。その結果、狭い範囲のチームとしては成熟してきたが、より広い範囲で見た組織では未成熟なチームであるということは起き得る。

事業部、本部、会社のような広い範囲の組織に限った話ではないが、初期段階では思想を持つための思想が必要だと思う。それはどのような組織にしたいのかという話なのでトップダウン的に決める。例えば自分はお届けチームが組成されたタイミングで「中長期的な観点を持った活動が継続的に行われている」「チームが自分たちで判断し実行している」「チームで成果を出し、チームで評価される」というようなチームにしたいという話をした。*2

タックマンモデルというのがあるのを思い出した。Performingの前にNormingがあるという話で機能する前には役割や期待などの共通認識を作りチーム内でつながりを得る必要があるという話だと思う*3。チームが思想を持つための思想を提示するのはまさにNormingの話で、更に連続した組織活動によって思想(ものの見方)をチームとして持つことで機能するのではと思う。

*1:https://hisaichi5518.hatenablog.jp/entry/2024/09/02/080000

*2:見直したい

*3:詳しくないので間違えてる可能性あり

「技術力あげたい」という話をした

speakerdeck.com

「技術力がある」とか「技術力あげたい」とかそういう話をしているが、技術力とはなにかが曖昧だと最近思っていたので自分の中の定義をプロダクト本部のLT大会で話した。

自分は10xを創る組織とはなにかに興味がありこの会社にいるのだけど、それは個人/組織が成長し続ける組織であるという仮説を自分は持っていて、プロダクト開発・運用という視点で個人の成長に必要なものとはなにかを考えたという話でもある。

もらった質問や感想など

訂正しやすくつくる力、外から中々見えにくい

見るというのはある意味評価するということだと思いますが、自分は人間が客観的に正しく人間の評価を行うのは無理*1だと思っていて、ましてや外(社外やチーム外、別職種)からはほぼ確実に無理でしょと思っています。なので中から外に説明する必要がある。

今回の話は、中*2で見えている評価をどうやって外に説明するかという話なのかなーと思いました。どう説明するかは今回話さなかった基準の定義とその基準に沿った自己評価と比較的近しい他者からの評価が説明材料になるのかなと思っています。

訂正し続けるからこそスクラムとかやってるんですかねえ

スクラムはより巧く速く訂正するための手法だと自分は思っていて、訂正し続けることを仕事にしている我々とスクラムは相性がいいはず。

*1:それでも評価は必要と思ってますよ

*2:自分やチーム。コンテキストによって対象が変わるので難しいですね

軍事的メタファー

労働の中で戦時というワードが出たり出なかったりしていて、軍事的メタファーやワードが労働で使われるのは別によくあるしいいと思ってるはずなんだけど、言語化出来ていない違和感が自分にはあってなんだろうな〜〜と思っている。

注意: 以下に考えたメモが書かれてるんだけど、これは自分がそう捉えたというだけの話で、別に使ってる人を責めてるわけじゃないし、そういう意味じゃないんだよ〜というのはあるかもしれない。注意終わり

そもそも自分は今の会社のミッションはどこかの競合企業と戦うことでは達成できないんじゃないかと思ってる。競合企業が持つ領域を奪うことが主軸じゃなくてよりよい体験を作ることが主軸でその結果奪うことはあるかもしれませんが。 更には組織も軍隊のように強いトップダウンではないし、それを目指してるわけでもなさそう。少なくともエンジニアリングマネージャーの自分は「助けてくれ!」とか言っていてマネージャーが強いリーダーシップを発揮するような軍隊的組織を目指していない。

あと自分は労働が面白くなかったら辞めるというのが根本にあるのだが、軍隊とか個人の面白とか一番どうでもいいと思ってそうなのでそこの考え方も違っていて、自分は軍事的メタファーを使われてもしっくりこないんだろうな

実際のところどうなのかはわからないけど、今後軍事的メタファーに合った事業・組織になろうとしているとは自分は思っておらず、そういう会社に戦時という軍事的メタファーは合わないと感じるから違和感を感じたのかもしれない。また自分の根本的な考えでは軍事的メタファーは合わないということがわかったような気がする。

最近の本の読み方

  1. Kindleで本を買う
  2. 読みながら、あとから読み返してもわかるように気になった箇所を黄色でハイライトする。
  3. Glaspを使って、Kindleのハイライトとメモをコピーする
  4. Heptabaseの新規カードを作成して、コピーしたものを貼り付ける(読書カードと呼ぶ)
  5. ハイライトした箇所の章の名前を書き足していく
    1. かなりめんどくさいので、自動化したいが難しいっぽいので諦めてるがいらないような気もしてきた。Kindleアプリ上だと出てるんだけどなぁ。
  6. 読書カードにあるハイライトとメモを読み返して、自分の中で大事だなと思うところを改めて赤色でハイライトする。
  7. Heptabaseのホワイトボードを作成して、読書カードを追加する
  8. 読書カードを右ペインに表示しながら、読書カードのハイライトとメモから大事だと思う箇所をドラッグアンドドロップで切り出してカードとして作成する。
  9. カードを作成したら、ハイライトした中からカードのタイトルを考える。
  10. 関連がありそうなカードをまとめて、必要なら色をつける。

整理をする必要はあるのか

これまで本を読んだら読みっぱなしだったのだが、「わかる」とは区別し同定を繰り返すことと書かれている本を読んだりしたので理解のために整理をしている。整理していると「こういうこと前読んだ本にも書かれてたよな〜」とか「こういうこと書きたいな〜」となったときに見返しやすかったり、身についてる感じはするので良い。ただ時間は取られる。

ちなみにPDFでは、Heptabase自体でハイライトしている。Collective Efficacyの変容とコーチングに関する包括的研究を読んだときの例

関連

やっていきとのっていきの先にあるもの

やっていきとのっていきで大きな成果が生まれる。それを繰り返していくことで、個人と組織と事業が成長する。

個人の成長は、私なら出来ると思える状態になること。組織の成長は、私たちならできると思える状態になること。事業の成長は、売上がバク伸びするとかそういうやつ。

個人の成長は色んな会社*1でも出来るだろうけど、組織の成長や事業の成長はその会社じゃないと出来ないので、その会社で働く意味になるなと1時間ほど散歩してる時に思うなどした。

*1:なんなら会社じゃなくても良い