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孤独に生きよを読んだ

「奴隷になるな」というのがこの本のパンチラインだと自分は思っていて、ここでの"奴隷"とは外圧によって思考停止に立たされた人を指している。この本に書かれているのは、その奴隷にならないために、思考し続けなさいという話であると自分は理解した。

人間同士だからそういう食い違いは日常茶飯事のはずですが、では実際に疑問を相手に伝えているかといえば、多くの場合は伝えていない。実害があるわけではないし、それはそれでそこそこやっていけているから、なんとなく黙したままで済ませてしまっている。  こうした状態も思考停止ですから、奴隷だと言えます。

田中慎弥. 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論 (p. 15). (Function). Kindle Edition.

孤独に生きよでは、内容を理解できなくてもいいから本を読むことが思考することになり奴隷から脱出できる方法であると書かれている。

本を読まなくても生きてはいけます。本を読まないからといって飢えるわけでも、病気になるわけでもない。  それでもわたしは、読書を強く勧めます。  いまあなたを取り巻く環境とまったく異なる世界が、この世のどこかに間違いなく存在するという実感を書物はもたらしてくれます。読書を通してあなたはいろいろな人生を体験することができる。

田中慎弥. 孤独に生きよ 逃げるが勝ちの思考 増補改訂版・孤独論 (p. 73). (Function). Kindle Edition.

これは、結構人それぞれ方法があるんじゃないかと思っていて、自分の場合は読書もそうなんだけど、最近だと山に登っている間に「山登りはプロダクト開発と同じだ…」と類推したり、早朝の新幹線の中で「怠惰であれ!」と書いたりする時間も本を読むことと同じように思考する時間だと思える。

少なくとも自分は、20代と比べると本を読む時間がかなり減っている。これは、環境による衝動の減少や思考停止して見れるエンタメに触れる機会が多くなったからだと思うのだが、あえてそこから離れて孤独になる時間、思考する時間を取るようにするというのは、生きていくうえで非常に重要なのだろうと思う。

一方で、独りで思考するだけではなく、他の人と考えたことを共有することで自分だけでは発見出来なかったことが発見出来るとも思っていて、1 on 1とかでこういう本を読んでこういうことを考えてるんですよねから色々話がつながって自分では発見出来なかったことが見つかったりするので、孤独時々対話くらいがちょうどいいのかもしれないと思った。